今年もニッコウキスゲが

相変わらず梅雨空が続く毎日ですが、予報に反して青空が覗いたので、ニッコウキスゲの様子を見に行きました。昔は白樺湖から車山に向かうビーナスラインに入ると、ニッコウキスゲの大群落が至る所に見られましたが、鹿によってほぼ全滅(鹿は、単に食事をしているだけなのでしょうが)、今は電気柵が張ってある中だけに咲いています。鹿が増えすぎたのが大きな原因でしょうが、寂しい限りです。山歩きを長く続けている人は、「あの時期にはあの花が咲く」と季節の花々を楽しみにいそいそと出掛けます。私もその一人ですが、普通に見られた花々が少なくなっていくのはやはり寂しいものです。自然のバランス、サイクルが崩れていくのが、心配ですね。

この梅雨空の中でも季節は進み、今年も高原の夏を告げるニッコウキスゲが咲き始めています。まだ3分咲きのような感じです。雨が上がり、気温が上昇すると一気に花の数が増えます。来週辺りが見頃でしょうか。

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ノビタキがニッコウキスゲの細い茎に乗ってこちらを見ています。近くに巣があるのでしょうか、なかなか離れず、チッチと警戒音を発しています。あと一月で子育てを終え、南の国に帰っていきます。餌を探す忙しい毎日ですね。

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爽やかな高原に、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲を。夏鳥が飛び交う高原の空に、ヴァイオリンの音が快活に流れていきます。もう40年以上も前に買ったグリュミオーの演奏は、初めて買ったこの曲のレコードです。飛び切りの美音が心を明るくします。「何て良い曲なんだろう!」という印象は今も変わりません。

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クレーメルの演奏は、アーノンクールの指揮とともに個性的ですが、「自由自在」という言葉がピッタリ、自分の作法でこの曲を演奏していきます。この曲を聴きつつ、あと少しでやって来る高原の夏を待っています。

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