ブナの森と水芭蕉

白馬村から戸隠へ向かう途中、山奥に伸びる渓谷を遡ると奥裾花自然園があります。ここは、西に戸隠連山、高妻山、乙妻山を望み、 樹齢数百年のブナの巨木 に囲まれた山深い森です。そのブナの木の多さには圧倒されます。その他ナラ、トチノキ、シナノキ等いずれも見事な巨木があり、まるで森の神々が鎮座しているようです。

この巨木に囲まれた森の中に水芭蕉が群生しています。その数は尾瀬よりも多く、森の芽吹きの中に真っ白な水芭蕉が静かに佇んでいます。

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長野県では水芭蕉はあちこちで見られ、私の住む蓼科近辺でも季節になると普通に見ることが出来ますが、そのスケールが違います。尾瀬のように拡がりのある空間に咲く水芭蕉と違って、このブナの森の水芭蕉は、山の懐の深さを強く感じさせます。ブナの木が水芭蕉を優しく見守っているようです。

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今日は平日ということもあり、朝方の森は人も少なく、鳥の囀りが森の中に響いていました。芽吹きの森はいつ来ても気持ちがよく、生命の息吹が強く感じられます。ブナの巨木は下から見上げると、空に向かって大きく背伸びをして、まだ雪の残る森にようやく訪れた春を喜んでいるようです。こんな森の中で大きく深呼吸をすると、木々の息遣いがすぐそこに聞こえるようです。

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帰りに立ち寄った森の入り口のお店で教えてもらった黄色い水芭蕉、初めて見ました。珍しいですね。

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途中の安曇野では、田植えが始まり、白馬から鹿島槍、蓮華、常念に至る山並みが春を迎えた安曇野を見下ろし、菜の花と残雪の山々がたいそう美しかったです。

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白馬村からの白馬三山は、相変わらず覆いかぶさってくるような迫力で、なかなか目が離せません。何時までも見ていたい気持ちになります。

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