４月半ばにも関わらず

庭にシジュウカラやエナガが盛んに来ています。一昨日の大雪で庭には雪がたっぷりあり、土も見えないのに何を探しているのでしょうか。野鳥は木々の葉が茂ってくると見つけにくいのですが、芽吹きもまだらな森では姿を見つけやすいものです。

ソメイヨシノも全国あちこちで満開、そろそろ本格的な春の便りをお届けしたいのですが、これが最後の雪景色でしょうか。山の稜線は風が強く、氷点下でしたが、澄み切った空気が心地良かったです。

ビーナスライン周辺は、もうすぐ多くの人が訪れ、秋まで賑わうところですが、今日はほとんど人影がありません。冷たい風が吹き、雲が流れ、青空が見え隠れしています。時折日が差すと霧氷が輝き、凛とした世界になります。

薪ストーブを点け、静かに音楽を聴いています。バッハのゴールドベルク変奏曲です。この曲を始めて聴いたのは、やはりグールドだったのでしょうか。もうずいぶん前なので定かではありません。でも、眠れない夜のために作られた曲だというのに、刺激的で、ちっとも眠れそうにないなと思ったことを思い出します(笑)。

「チェンバロで弾かれた演奏で、お薦めはありますか？」と、昔よく通ったレコードショップの人に相談したら、「こんな演奏薦めて怒られるかな・・」と、その人は、レオンハルトではなく、キースジャレットの演奏を教えてくれました。

この演奏は、厳冬期１月に八ヶ岳高原音楽堂で録音されたもので、窓の外の冬景色が思い浮かぶような演奏です。寒い夜に似合う曲ですね。きっとその人は、その空気感を薦めてくれたのだと思います。

その人からは、その後色々な面白い演奏、曲を教えてもらいました。癌で亡くなったと聞いたときは、残念でなりませんでした。当ペンションに来てもらう約束もしていたのですが。