高遠の桜

高遠の桜は、「天下第一の桜」と言われています。中央アルプと南アルプスに囲まれた盆地にある高遠は、戦国時代には諏訪と伊那を結ぶ要衝であり、武田軍と織田軍が激しい戦いを繰り広げた地でもあります。その城跡に、コヒガンザクラが見事に咲き誇っています。

雪を被った高山と里の桜、信州ならではの風景です。朝早く家を出て、7時半には着いたので、思ったよりも人が多くないなと思ったのですが、8時半を過ぎると、平日にも関わらず結構な人出となりました。丁度満開、駐車場には他県ナンバーの車も多く、やっぱり桜の名所ですね。

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人が多くなった城跡を早々と退散し、近郊をあちこち歩いて来ました。城跡から山の方へ少し登っていくと、まだまだ桜のつぼみも固く、4月下旬位には、見事な桜が見れそうなところが沢山ありました。誰もいない林道をどんどん登っていくと、高遠の街が一望でき、その向こうには中央アルプス、木曽駒ケ岳、宝剣岳から空木岳と雪を被った山並みが連なります。

「この頃は桜も早くなった。以前は5月だったのに・・。」と林道でばったり会ったおじいさんと少し話をしました。「ここの眺めは最高だで。だけど、ここまで歩いて来る人はほとんどいない。」と少し褒められた気分になりました。確かに獣の臭いがする林道です。秋にはあまり歩きたくないような・・(笑)。

桜の名所は人だかり、少し離れると人はおらず、里の春をゆっくりと味わえます。

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高遠に向かう途中のラジオから、ワーグナーのニュルンベルクのマイスタジンガー前奏曲が流れてきました。この曲を始めて聴いたのは、確か、世界最古のオーケストラ、ライプツィヒゲバントハウス管弦楽団の日本公演をラジオで聴いた時でしたから、もう随分以前のことです(1971年)。初めてワーグナーの曲に触れた時でした。その後、大学の入学式で、大学のオーケストラがこの曲を演奏した時は、「あ、あの曲だ!」と大いに感激したものです。人生の新らしい舞台に立つ高揚した気分、期待と覚悟に溢れたこの曲のレコードを買ったのは、高校生の時でした。フルトヴェングラー/ウィーン・フィルの演奏は、大きくうねるような、高揚感を味わえる演奏です。今でもこの曲を時折聴きます。

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