北八ヶ岳

家から車で20分の処に麦草峠があります。白駒池や北八ヶ岳の登山口として、週末は多くの観光客や登山者が訪れる場所ですが、平日はコース次第ではほとんど人に会うこともなく、静かな山歩きが楽しめます。

麦草峠に立つと、いつも右に行くか、左に行くか迷います。勿論前の日に行く場所は決めているのですが、もう一度考えて行き先を変更することがよくあります(笑)。私の好きな雨池が左側(北側)にあるからでしょうか。今日は右側(南側)に予定通り入り、丸山~高見石~中山~にゅう~白駒池を歩いて来ました。樹林帯ではまだ残雪が多い斜面もあり、人に会うこともほとんどなく静かな山歩きでした。

苔とシラビソ、コメツガ、トウヒに囲まれた針葉樹林の森にメボソムシクイやルリビタキが盛んに囀り、時折ミソサザイやヒガラの声も聞こえます。この森の佇まいは本当に引き込まれるような魅力があります。太古の時代に戻ったような、長い時間をかけて造られてきた風景ですね。朝の内は少し雲が多いものの、高見石では双眼鏡で遠くを見ると、日光の男体山や尾瀬の山々も見えます。青空だと、ここからは白駒池がブルーに見えるのですが、今日は残念ですね。

 

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この森の魅力を紹介した山口耀久さんの「北八ツ彷徨」を読んだのはもう随分昔です。まだ行ったことのない神秘的な森を一人で逍遥する時間に憧れたものです。私は北八ヶ岳を歩くたびにこの本を想い出します。中山からにゅうへの道は、まだ残雪も多く、踏み抜かないように慎重に歩きますが、それでも時折穴にはまります。この時期ならではの登山道です。

中山の展望台は素晴らしい眺めです。北アルプス方面を見ると、後立山連峰の向こうに立山、剱岳も見えます。ゆっくりお弁当を食べ、にゅうへ向かいます。ここで最後の展望を楽しみ、白駒池に向かい、再び麦草峠に戻ります。静かな一日でした。

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久しぶりにこのレコードを取り出して聴きました。ジョージ・セル/クリーブランド管弦楽団のブルックナー交響曲第8番です。前に聴いたのは何時だったのかもう覚えていません。当時はあまり印象がなかったようです。ブルックナーの交響曲は、あのピアニシモを聴くためには相当音量を上げる必要があり、音量を上げると再生環境次第ではやかましくなる、家人に怒られる(笑)というジレンマがあります。何せ今は思い通りの音量を出しても迷惑が掛かりませんから(笑)。

しかし、何て素晴らしいオーケストラ演奏と音楽でしょう。セルの演奏は、「見通しが良い、機能的」とよく言われますが、様々な楽器が明確に鳴り響き、曲の凄さと相まって素晴らしい時間が過ぎて行きます。中でもスケルツォは沸き立つような音楽で、心が浮き立ちます。その対比としてアダージョは心に沁みていきます。昔相性が悪いと敬遠していた演奏も、時が経ちまた違うように聴こえることが最近よくあります。年齢を重ねたせいでしょうか。また昔のレコードを少しづつ聴き直そうと思います。

 

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