５月の安曇野

５月の安曇野は、川の音や鳥の声、緑の風景が優しく、生命を強く感じさせ心を弾ませてくれます。田植えも始まり、山に残る雪が水面に映り、安曇野ならではの風景が拡がっています。北アルプスの山肌に浮かぶ雪形を見ながら田植えが始まる風習は今は昔かもしれませんが、今年も爺が岳には「種まき爺さん」の雪形がくっきりと浮かび上がっています。

今日は素晴らしい５月の青空、明るく、爽やかな風が吹いています。小高い丘からは目の前の北アルプス表銀座の山々、北に向かって後立山連峰の山々が聳え立っています。こんな日は残雪の山々を眺めながら一日中安曇野を歩いていたいものです。

モーツァルトの弦楽五重奏曲（Ｋ５１５、５１６）は、晩年に差し掛かった頃の作品です。フランスのエベーヌ四重奏団にビオラが加わった演奏は、少し華やかな音色で光と影が見事に表され、とりわけト短調の演奏は素晴らしいです。最後のアダージョ楽章は深く沈み込み、やがてもう一度明るい世界に戻って来るような深みのある音楽ですね。